基礎を学んだ学校
- tanizawae
- 2014年10月4日
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医療系の学校に入る前は、大学院生として、ものづくりの研究をしていました。さまざまな電子機器に使われる電子材料について、結晶レベルで解析したり、合成したりという研究です。
私がその分野に進んだきっかけは、まだブラウン管のテレビを見ていた小学生の頃です。兄から、「将来、テレビは壁掛けになる」という言葉を聞いて、漠然とですが、(手塚治虫が描くような)未来の生活とともに、今の言葉で言う「ものづくり」へのあこがれを持ちました。日本経済を支える企業戦士というステレオタイプも、小学生にとって魅力的でした。
研究で使用する機器は、高速電子計算機(電子式のコンピュータ)や電子顕微鏡といった、当時としてはたいへん高価なものでした。あるとき、X戦回折の実験だったと思いますが、X線管を破損したことがあります。私が調節した冷却用の水道水の量が少なかったためです。教授はたいへん残念そうでした。限られた予算でやりくりする研究者の気持ちがわかるか、というようなことも言われました。そのときはよくわかりませんでしたが、当時の技術者の熱意からすれば当然の心情です。
後日、お金がなくてできる研究もいいものだと思い技術者の路線からははずれたのですが、そのような仕事にとっても、基礎は学生時代に培われたものだと思っています。
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