兄川、弟川の風景
- tanizawae
- 2014年10月25日
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山梨市の駅から万力公園の方に向かって、少し視線を右にずらすと、日本の里百選にも選ばれた八幡地区の玄関口に、差出の磯、塔の山(大嶽山)が見えます。
笛吹川に岩(塔の山)が突き出て(差し出て)、内陸部にありながら海辺の磯のように見えるところから差出の磯と名付けられたこの景観は、平安時代以降、多くの文学に登場するそうです。
私の家から富士山を眺めると、その線上に、塔の山、差出の磯、万力公園、山梨市駅、そして日川高校がありますから、高校生時代は、専ら脇目を振ってばかりではありましたが、朝夕その景色の線上を、800回くらいは往復移動していたことになります。
富士山以外は、小学生時代からホームグラウンドであったにもかかわらず、長い年月、その沿革も知らず、触れようともせず、ただ日々通り過ぎていました。
以前、八幡小学校の校歌を取り上げたとき、迂闊にも、「窪八幡の森近く、並ぶ兄川、弟川、流れのほとり開く窓・・・」の、「並ぶ」を「流る」と書きました。読者の一人(兄)に指摘されすぐ勘付きましたが、そのときは「流る」しか浮かびませんでした。
その歌詞の出典のことを兄が、「昔聞笛川水 今上大嶽山」と題して記述していました。
夏草の繁る細い坂道を登り切った所に、窪田空穂の歌碑はあった。あまり訪れる人はなさそうな雰囲気だった。初めてじっくりと眺めたが、実際には、全てひらがなで刻まれていたのは意外だった。 ◎兄川に 並ぶ弟川 ほそぼそと 青山峡を 流れてくだる (空穂)
窪田空穂という名前は、清水賢一先生(日川高校の2年担任)や、父からも聞き、歌碑が大嶽山にあることも聞いて知っていた。昭和29年建立だから、私も子供の頃に歌碑自体は何回も目にしたはずであるが、それが何であるか全く知らなかった。 兄川や弟川、それらが合流する笛吹川、 青山峡という言葉は八幡小学校、八幡中学校の校歌にも歌われた。
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