小説「万力林」
「谺(こだま」という同人誌に、深沢七郎も寄稿したことがあるということを友人から聞いて、その同人の牧宏さんという方の「おれは縄者ー差出・万力林ー」という小説を読みました。まだ昭和の時代のことです。 読み終えて何十年もたち、かなり忘れていて、ふるさとの歴史を振り返るときに、自分...
亀甲軒と「ギッチョン籠」
続きです。 団子屋はすぐわかりました。店に入ると、奥から、薄いセーターに半纏をはおり、作業ズボンを履いた老人が出てきました。なぜ作業ズボンまで覚えているかというと、社会の窓が少し開いていたからです。 有名人だった作家の顔は全く知らなかったのですが、その眼光から、ああこの方な...
差出の磯の千鳥 続き
甲府から笛吹川に沿って雁坂峠に通じる秩父往還は、万力から塔の山よりはるか西の山道を通って岩手に抜けていたそうです。それが、八幡、岩手の人たちの道普請で、笛吹川右岸沿いの塔の山の断崖が削られ、差出の磯の脇を通る平らな道が切り開かれたことがきっかけで、亀甲橋や、そのたもとの「亀...
差出の磯の千鳥
差出の磯にまつわる古歌には、古今和歌集の「しほの山差出の磯にすむ千鳥君が御代をば八千代とぞなく」のように、度々チドリという野鳥が登場します。 昭和51年の調査により確認されたコチドリ、イカルチドリなどはチドリ目の鳥の総称で、昭和55年には、山梨市の「市の鳥」にも指定されてい...
兄川、弟川の風景 続き
兄川、弟川の風景の続き 山梨市には、三富地区に、「大嶽山那賀都神社」という、近年若者が多く訪れる神社がありますが、私たち八幡地区では、「大嶽山」というと、身近な、塔の山にある「差出磯大嶽山神社」のことを指します。 何でも、兄が帰郷した折、大嶽山に登り、眼下の笛吹川を眺めてい...
兄川、弟川の風景
山梨市の駅から万力公園の方に向かって、少し視線を右にずらすと、日本の里百選にも選ばれた八幡地区の玄関口に、差出の磯、塔の山(大嶽山)が見えます。 笛吹川に岩(塔の山)が突き出て(差し出て)、内陸部にありながら海辺の磯のように見えるところから差出の磯と名付けられたこの景観は、...
道徳の教科化
中教審というのは、中央教育審議会のことで、学識経験のある者のうちから、30名くらいの委員が文部科学大臣によって任命され、諮問されたことについて審議を重ね、答申をすることになっています。基本的には、その内容は政策に反映されます。...
「秋」の空と女心
久しぶりに先輩と会いました。非常勤の教員をしたり、会社の顧問をやっているそうです。 そういえば、別のある先輩は、ヒラ社員で退職し、就職口を探すのに苦労していました。次に会ったときには、そこそこ大きな会社にヒラ社員で再就職したといっていました。そして今年会ったときには社長にな...
天気の変化とともに
深まりゆく秋の紅葉の変化を見届けるのは楽しいものだとは思いますが、なかなかその時間がとれません。それに、自然も必ずしもこちらの都合に合わせてくれるわけではなく、昨日の秋晴れが今日は肌寒い小雨けぶる朝です。 日が短くなって気温が下がり、太平洋高気圧が後退して移動性高気圧に覆わ...
黄金色の絨毯
紅葉の便りとはいえ、まだ周囲の山肌が少し色づき始めたばかり。果樹地帯を通り抜けると、盆地の中心を流れる川沿いの一帯の光景が目に入ってきました。 新規補助事業の計画書の提出のため、甲府市でも南部地区に用事があり、笛吹川沿岸を下りました。私の家の周辺にもブドウや桃の果樹園の合間...